百鬼ゆめひな×亀工房
<一人劇と音楽>
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江戸時代、華やかな大奥で暮らしていた絵島。
役者・生島新五郎との逢瀬の罪をとがめられ、雪深い信州高遠へ罪人とし生涯を幽閉されて
この世を去った女の悲恋のものがたり。等身大の人形を操る百鬼ゆめひなの演舞、
そして、信州高遠在住のギター&ハンマーダルシマーの音楽デュオ亀工房による、
時に悲しく、時に激しい生演奏で構成される臨場感溢れる舞台です。
- 2019年初演
- 構成・演出・美術
- 飯田美千香
- 出演
- 保戸塚侑大
- 飯田美千香
- 音楽
- 木並和彦
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この演目は《梅戸神社》の御祭神 須佐之男命すさのおのみことを主人公として描いた面と等身大人形による、
他に類を見ない独特の創作神楽です。スサノオの物語の中でも、最も有名な八岐大蛇退治のシーンを抜粋しました。
(※八岐大蛇=頭と尾が八つに分かれた大蛇)
乱暴者だったスサノオは、姉・アマテラスの国・高天原たかまがはらから追放され、出雲国いずものくににやってきます。
そこで美しいクシナダ姫と出会います。しかしクシナダ姫は恐ろしい化け物・ヤマタノオロチの生け贄となる順番がきてしまったと嘆き悲しんでいました。
スサノオはクシナダ姫を助けるので、嫁に欲しいと申し出ます。演舞の本編は スサノオがヤマタノオロチの好物の酒を大量に用意し、
待ち伏せをしているところからはじまります。スサノオは力強く登場、剣を振り回し雄大に舞います。
そこに化け物・ヤマタノオロチが登場し、スサノオの作戦通りにヤマタノオロチは大量の酒を飲みます。
ヤマタノオロチを酒に酔わせる作戦は成功し、スサノオは見事に退治することが出来ました。
倒したヤマタノオロチの尾から三種の神器の一つ「草薙くさなぎの剣つるぎ」を発見し、大事なものとして、これをアマテラスに献上し、
スサノオとクシナダ姫はめでたく夫婦になります。見所のラストの“からくり衣裳”は、中央アルプスとたわわに実った稲穂、そして天竜川を1000個のパーツにより描いています。
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2018年初演
上演時間 25分
- 原作
- 小林豊
- 構成・出演
- 飯田美千香
- 音楽
- 木並和彦
- 衣装
- 小林靄(地球屋)
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この演目は小林豊さんの『とうさんとぼくと風のたび』をベースにした、
五穀豊穣を願う華やかな創作人形神楽です。
大地を司る童の御子がいました。そこへ大地に豊かな恵をもたらす優しい風の神がやって来ます。
御子の守り神・狛犬も現れて、3人は仲良くなりました。
御子と狛犬は、風の神が運んできてくれた沢山の命の種を大地にすき込みます。
ところが風の神は良いものを運んでくれるけれど、時に邪神が取り憑いて恐ろしい“邪風オロシ”にも変わります。
邪風オロシは人々の心に争いの種をまき、田畑も荒し、暮らしも全部破壊してまわります。
3人は力を合わせて邪神を追い払い、天変地異を乗り越え見事な豊作の時を迎えます。
五穀豊穣の象徴として信州伊那谷の名物名産を彩った鮮やかな風の神の衣装も大きな見所の一つです。
- 上演時間 30分
- 原作
- 東雅夫
- 構成・出演
- 飯田美千香
- 音楽監督
- 木並和彦
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いまになる きっとなる 恋する女は 蛇になる
恋しい男を追いかけて、どこまでも、どこまでも、野越え山越え追いかけて、
追いかけるうち鱗が生え、追いすがるうち角が生え、
とうとう蛇になった娘がおりました……。
中世から近世にかけて、能や歌舞伎、舞踊などの
「安珍清姫」「道成寺」ものに集大成される、
女人蛇体の妖しくも哀しい恋物語。師・岡本芳一の代表作『清姫曼陀羅』の
世界を継承しつつ、百鬼ゆめひなが新たな着想とアレンジでおくる、
恐怖と恋情の怪談人形芝居!
- 上演時間 50分
- 作
- 岡本芳一
- 潤色・出演
- 飯田美千香
- 音楽
- 木村俊介
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民間伝承の一つに“神かくし”があります。
一人で山に入り、そのまま姿を消してしまう。それは山の精霊の仕業であると信じられていました。
『化身』は山の精霊が里に降りてきて女性と戯れ踊り、再び山に帰っていく様を表現した荘厳で力強い男性的な精霊の舞です。
銀雪に輝く中央アルプスの雄大な山並みも感じさせるこの演目は、師 岡本芳一の代表作の一つで、百鬼ゆめひな(飯田美千香)が継承しました。
- 上演時間 30分
- 原作
- 岡部えつ「雪女」
- 構成・人形・出演
- 飯田美千香
- 音楽提供
- スガダイロー
木並和彦
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六花(ろっか)とは、雪の結晶が六つの花びらに見えるということから雪を表す言葉です。
この演目の原作は近年では映画『嘘を愛する女』の小説版などを手掛け話題となった
作家・岡部えつにより書き下ろされた日本の民話で知られる妖怪《雪女》を題材にした怪談です。
劇中にある男と雪女の狂おしい演舞のシーンの音楽は日本屈指のフリージャズピアニスト《スガダイロー》によるオリジナル曲です。
真っ白な身体を燃やすようにして舞う人間の男に恋をした悲しい雪女の物語。
2016年 国際交流基金サンパウロ日本文化センターの招聘により、サンパウロでも上演。
- 上演時間 40分
- 作・構成
美術・出演
- 飯田美千香
- 音楽
- 木並和彦
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狐狸は人を化かすが他愛ない。
猫が化けるとチョト怖い。怖いけれども艶がある。
猫姫様が舞い踊る。大見得切っての七変化。
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養蚕が盛んだった時代、大事な繭や幼虫にとっての大敵はネズミで、
そんなネズミが大嫌いな猫はネズミを追っ払ってくれる猫は養蚕の守り神でした。
養蚕の豊作を願う象徴として信仰されるようになったと考えられています。
世界中で愛される猫を福の神として、また化け猫になって魔除けにもなります。
目の前で繰り広げられる猫姫の華麗な変身にも乞うご期待。
- 上演時間 17分
- 構成・人形・出演
- 飯田美千香
- 特殊美術
- 渡辺工房
- 音楽
- 木村俊介
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題名の曼珠沙華は彼岸花(リコリス)の別名で、秋に神秘的な姿の鮮やかな赤い花を咲かせます。
日本ではその色姿や言い伝えによって、不吉の花とも吉兆の花とも言われます。
本作は、苦界に生きる身となった遊女の儚く哀しい人生を彼岸花になぞらえ、
その心の動きを、台詞を用いずに所作と舞だけで表現しています。
- 上演時間 25分
- 原作
- 逸見尚希
- 美術・構成・出演
- 飯田美千香
- 音楽
- 木村俊介
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障遣願舞:「障遣(さやり)」とは、人間が心の障害と思っていることを
どこかに遣(や)ってしまうという意味があります。
舞台を鑑賞された皆様の厄を祓い、多幸が舞い込むようにと願いを込めた舞が障遣願舞です。
2014年 石清水八幡宮の御本殿にて奉納上演。
- 写真:伊藤敦
※2021年11月をもって百鬼ゆめひなによる『障遣願舞うつ神楽』は終了いたしました。
- 上演時間 30分
- 作・人形・出演
- 飯田美千香
- 音構成
- 尾林真理
- 音構成協力
- 眞田健二
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妖しい色香くゆらせて、男を誘い鬼女が舞う―
- 上演時間 10分